あなたが
産まれる日
私は
大事な大事な
全国大会への
予選の日でした
野球なんてどうでもいい
家族が
一番なんだと
コーチに
背中を押され
宮城球場から
病院に向かったのは
今から
何年前の事でしょう
あの日から
寝ても
覚めても
日常に
野球が転がっていた
毎日
お利口で
聞き分けが良くて
スポーツには
向いていかなかった
あなたが
野球をはじめると
言ってくれたこと
私が
引退を決めた日
今まで
お父さんの野球を
応援して来たから
今度は
僕の野球を
応援する番だね
と
言ってくれたこと
本当に
感謝しています
何をするにも
野球の話しが中心で
それでいて
お互いのプレーや
行動には
あまり
触れなかった日々
中学生になってから
あなたのプレーを
観る機会は
めっきり
少なくなりました
大人の階段を登る途中
私は
あなたがしてくれた応援より
あなたを応援できたのか
何度
振り返っても
後悔しかありません
いくら
思い返しても
涙しか
出て来ません
何をするのも
不器用で
上手く
表現できなかった
姿は
プレーを観なくても
容易に想像できます
私は
そんな
あなたが大好きです
今はただ
あなたの野球が
観れないことが
悲しくて
悔しくて
とても寂しいです
あなたは
言葉にもしないし
行動にも出しませんが
私なんかより
よっぽど
悔しいでしょうね
そして
少しだけ
肩の荷が降りたでしょうか
産まれた日から
ここまで
駆け抜けて来た
あなたの野球
本当に
お疲れ様でした
これから先
仲間や恋人
遊びや音楽やファッション
そして勉強と
世界が
広がる毎日です
たくさん吸収して
たくさん失敗して
もっともっと
大きな
人間になってください
あなたが観て来た
野球とは
あなたの人生の
ほんの一部分です
たかが野球
勝った負けた
上手い下手
それだけが
全てじゃない
そして
あなたがしてきた
野球とは
あなたの人生で
かけがえのない時間です
悔しかったこと
嬉しかったこと
楽しかったこと
悲しかったこと
泣いたこと
笑ったこと
いろいろあったよね
何年先でもいい
遠いどこかでもいい
いつかまた
野球に
帰って来てください
本当に
よく頑張りました
ありがとう